ふと思いついたこと
by namuko06
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植民地支配と侵略・占領の違い
 「盧武鉉大統領の言う「侵略戦争」とは何をさすのか?」では日韓併合について述べてみたが、自身の歴史認識の甘さに反省しているところである。
 さて、あらためて日韓の歴史研究者による歴史認識の共有活動で報告された論文(鄭昌烈『乙巳条約・韓国併合条約の有・無効論と歴史認識』)を読み直してみると、日韓併合条約の有無効、日本による朝鮮半島の植民地支配の有無効が日韓間での論点である。それぞれの立場は以下の通りである。
(日本) 旧条約有効、植民地支配有効、植民地支配不当
 1995年10月5日 参議院本会議において村山富市首相は、「日韓併合条約は当時の国際関係などの歴史的事情の仲で法的に有効に締結され、実施された」とし、10月13日の衆議院予算委員会では、「日韓両国の間に力関係の差があり、平等な立場で締結されたものではなかった。」と述べたが、韓国併合条約に基づいた統治については、政治的・道義的な評価としては深い反省と遺憾の意を表明した。

(韓国) 旧条約無効、植民地支配無効、植民地支配不当
 乙巳条約、韓国併合条約で大韓帝国代表に脅迫が加えられ、その形式と手順で欺瞞が介在するなど致命的な欠陥があったため、その条約が国際法的に無効で成立していない。
 1965年の日韓基本条約第2条の解釈のおいても韓国政府はこの立場を堅持している。
 1995年10月9日付北朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は「旧朝鮮と日本との間には公式的に締結された条約はないので、旧朝鮮と日本との間にはなんら法律的行為も存在せず、日帝による朝鮮の占領は徹頭徹尾武力による侵略と占領による主権強奪行為であった」という見解を表明し、この不当な軍事占領中に日本と朝鮮人民との交戦状態が1945年まで続いたという認識を示している。

 したがって、韓国盧泰愚大統領による侵略戦争云々は、まさしく上記認識から言ったのであって、北朝鮮の認識と全く同じである。
 この論議は、2001年に開かれた韓国併合再検討国際会議などをはじめとして、様々な場で日韓両国が歴史認識のすりあわせを行っているが、いまだ決着していない部分である。
 私はというと、日韓併合条約については限りなくグレーであり、植民地支配は有効かつ不当なものだったと考えている。

 現在起きている竹島の領土問題は、きわめて緊張度の高い外交問題であるけれども、日韓の間にある歴史認識の溝がかなり深いことがよくわかった。

4月22日
 その後の進展だが、韓国の次官の発言は少々歩み寄りが見られた。
竹島問題で日韓次官が再協議、主張対立し平行線
 【ソウル=中島健太郎、福島恭二】竹島周辺海域での日本の海洋調査に韓国が反発している問題で、谷内正太郎外務次官は22日午前、ソウル市内のホテルで韓国外交通商省の柳明桓(ユ・ミョンファン)第1次官と再協議を行った。
 谷内次官は21日の協議で、韓国が6月の海底名称に関する国際会議にこの海域の韓国語表記を提案しないと約束すれば調査を見送る考えを示したが、柳次官は調査方針の即時撤回を求めており、両国の主張は対立している。
 柳次官は会談前、同ホテルで記者団に対し、「今日中に終わるかどうかは、展望するのが難しい」と語った。さらに、「譲歩する部分はあるか」という質問に、「ない」と答えた。
 21日の協議では、谷内次官は、韓国語表記の提案見送りを求めたほか、係争水域に入る際は事前に相手国に通報するルールを設けることを主張した。
 これに対し、柳次官は「日本が独島(竹島の韓国名)を編入したのが、植民地支配の始まりだ」と指摘し、「日本の海洋調査は科学的なものだと思っていない。直ちに調査撤回を表明するべきだ」と反論した。
 韓国側はこれまでに、韓国語表記の提案については6月の会議にこだわらない姿勢を示しているが、日本側がまず調査中止を決めるよう強く求めている。
 一方、海洋調査に当たる予定の、海上保安庁の測量船「明洋」と「海洋」の2隻は、22日午前も鳥取県の境港沖合で待機を続けた。
(2006年4月22日11時19分 読売新聞)

 すなわち、「竹島が植民地支配の始まりの象徴」として、これまでの韓国政府の見解である「植民地支配無効」という説を「植民地支配があった」という見解に変更してきたのだ。これはうまく収まりどころが探れるかと思っていたら、
日韓協議合意…日本は調査しない、韓国は地名提案せず
 【ソウル=中島健太郎】竹島周辺海域での日本の海洋調査計画に韓国が反発している問題で、日韓両国は22日夜までの外務次官級協議で、<1>韓国は6月の国際会議で、韓国名の海底地形の提案をしない<2>日本は予定していた海洋調査を行わない<3>両国は排他的経済水域(EEZ)画定に関する交渉を5月中にも再開する——ことで合意した。
(2006年4月22日20時7分 読売新聞)

 案の定、韓国が鞘を収めた形になった。竹島領土問題の結論は先延ばしとなったが、結果的には、緊張が緩和された。
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by namuko06 | 2006-04-21 15:18 | ニュース
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