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ふと思いついたこと
by namuko06
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70年戦争という視点
かつて書いた「盧武鉉大統領の言う「侵略戦争」とは何をさすのか?」「『日露戦争は朝鮮半島への侵略戦争』なのか?」では、私の持つ歴史観に韓国の盧武鉉大統領の発言を当てはめて考えてみていた。実は、これは大きな間違いで、韓国人の主張には韓国人の持つ歴史的視点で考えてみなければならないと気づき、呉善花(オ・ソンファ)拓殖大学教授の「『反日・親北』韓国の暴走」を読んでみたところ以下のような韓国人の歴史観(民族史観)について得ることが出来た。
 日本人は韓国人の言う「七十年戦争」をご存じだろうか。ほとんどの日本人は首を傾げるに違いない。また、欧米の歴史学者に聞いても、「その七十年戦争とはいつのことですか」と聞き返されるに違いない。しかし、韓国の歴史学者達は、通常韓国は一八七五年(明治八)以来日本と「七十年戦争」を戦ったと主張する。その七十年とは、日本による韓国江華島砲撃(一八七五年)にはじまり、日朝修好条約、日清戦争、日露戦争、日韓議定書、第一〜三日韓協約と続いて日韓併合条約が締結され、以後三十四年二ヶ月にわたる植民地支配が一九四五年八月に終わるまでの七十年間である。その全期間を、日本がしかけた侵略戦争に対する韓国の反侵略戦争の歴史と位置づけるのである。北朝鮮までもこれとまったく同じ考えをしている。
 ここでは「戦争」という言葉の国際法上の定義など全く考慮されていない。日韓の研究者達による「日韓合同歴史教科書研究会」などでは、しきりにこの「七十年戦争史観」が日本人研究者に対してぶつけられる。世界中でこんな歴史理解を韓国や北朝鮮の反日知識人以外のいったい誰がしているだろうか。(中略)
 レーニンにによれば、相手国を侵略して自国の主権下におくことが帝国主義戦争である。ロシア・マルクス主義者たちは、相手国の領土で戦争をしたわけではなくとも植民地化を侵略と呼び、帝国主義戦争と見なし、倫理的な悪の意味を持たせて断罪した。韓国の反日民族主義は、これをそっくりそのまま懐に入れて反日の便利な道具として用いてきた。

 私は「戦争」とは国際法上に定義された行為を念頭に置いていたが、盧武鉉大統領の「侵略戦争」による日本に対する発言はマルクス主義に裏付けられた主張だったのだ。だとすれば、盧大統領の主張はよく理解できる。しかも、日本の主張は自由民主主義社会として、慣習的国際法上の用語によるものであるため、利害が衝突していれば、お互いの歩み寄りは期待できないのも、さらによくわかった。
by namuko06 | 2006-05-08 20:56 | 読書
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