僕はベートーベンの音楽が大好きである。モーツァルトよりも心を揺さぶる。単純な旋律が織りなす音の綾が、僕の心に響くのである。さて、このベートーベンが愛した不滅の恋人は誰か、それをさぐる弟子のシンドラー。これを映画化したのが、「不滅の恋」。耳が聞こえなくなったベートーベンが、ピアノの蓋に耳を押しつけながら「月光」をつま弾くシーンは、彼の身に起こる不幸な愛を予想させ、胸が締め付けられる。DVDのパッケージの写真がそれである。映画自体は、彼の音楽の印象映像といった感覚でも観ることが出来る。出演している俳優自身がピアノを器用に弾くため、リアリティも十分だ。音楽監督はサー・ゲオルグ・ショルティ。特典映像には、彼がオーケストラを指揮する姿もある。感激だ。