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ふと思いついたこと
by namuko06
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エクスペリエンツ
堺屋太一著「エキスペリエンツ7 団塊の7人」読了。団塊世代のエキスペリエンツ(知識・経験者)による落ちぶれた商店街の復活物語だ。読み始めて、黒澤明の「七人の侍」を思い出した。また、登場人物達の名前は、幕末期の志士や大名などの名前をもじったものだらけで、それだけで物語の背景が、大きな社会構造が変革する時期にあるのではないかと、想像しながら、読みふけった。
 たしかに、エキスペリエンツの廃れてきた商店街への登場は、現代が、会社や仕事を通しての人間関係から、同じ夢を実現しようとする同士関係へと、変化していることを示していると感じた。そして、その関係を構築するために、個々の知識や経験が生かせる、それはこれまで様々な経験を経てきた団塊世代の人間にしかできない。団塊世代は、その人口構成比率の高さだけでなく、逆境を成功へ、未知の分野を開拓し、市場や社会の多様性を具現化してきた世代だ。
 この小説を読むと、団塊世代の生き方がよくわかる。「団塊世代」の名付け親である、堺屋太一氏にとってこの「エキスペリエンツ」は、仕上げの一冊だろう。本書の最後は、死を間近に控えた「団塊世代」が自身の知識、経験を発揮して夢を実現した後、ある種の覚悟を決めなければならないことを暗示している。それが何なのかは、それぞれに異なるだろうが、私も読了後、将来への自覚というほど大げさではないが、肝が据わったような感覚に捕らわれた。
 団塊世代はもとより、団塊世代を上司に持つ若手も必読の書であろう。
 さらに本書を、映像化されたら是非みたい。主人公の坂本龍生を石坂浩二、その他、西田敏行、松坂慶子、小林稔侍などで実現できないだろうか。
by namuko06 | 2006-02-25 21:52 | 読書
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