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ふと思いついたこと
by namuko06
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死に急ぐべからず
痛ましいとしか思えない。教育者の自殺に対して非難あり、そして同情あり。私自身は正直言ってどちらの立場とも明確にできない。亡くなった校長は自宅にきちんとした遺書を残したことから、覚悟の自死であったことは間違いない。
 もしも、自分が彼の立場だったらと思うと、青雲の志を抱いて入学してきた子どもたちの将来に傷をつけるような事態を引き起こした責任を何らかの形でとらなければならないと考えるだろう。その責任の取り方に、すべての対策を終えた後に、教育者を辞めるという選択があっただろう。しかし、彼はそれをしなかった。となれば自死することによって責任を明確にするという思いがあったのはないだろうか。校長を辞任した後でのうのうと生きても、子どもたちに残った傷は一生消えることもなく、信頼を無くした自分には癒すことも出来ない。ならば、命をもってしか償えない責任があることを示すことが教育者としての役割だと、私ならば考えるだろう。だからこそ、命は粗末にあつかうのではなく、命をかけて謝罪するのが人間としての道であると教えたかったのはないだろうか。ましてや教育者として、他人の子どもを預かり、人間を育む立場の者は、命がけの仕事であることをも伝えたかったのではないだろうか。このタイミングで死んだことが、なによりも雄弁に物語っているように思える。
 だが、もう一方の私は、死に急ぐべきではないとも思っている。このような問題を二度と出さないように自分が今後なすべきことを実践して見せていくことも、傷ついた子どもたちを癒し、謝罪し続ける方法ではなかったかと思うのだ。
 まだまだ、考えなければならない、重く深い事実だ。
 ご冥福をお祈りしております。

<高校長自殺>生徒に経緯説明…履修不足発覚の茨城・佐竹高 [ 10月31日 11時42分 ]毎日新聞

 履修単位不足が発覚した茨城県立佐竹高校(同県常陸太田市)の校長、高久裕一郎さん(58)が自殺したことについて、同校は31日午前、体育館で全校集会を開き、約590人の生徒に経緯を説明した。
 冒頭、根本滋教頭が「校長が自ら命を絶つという痛ましい事故が起きてしまった」と報告し、全員で黙とう。自殺の原因について根本教頭は「(履修単位不足問題と)直接に関係があるかは分からない」としながらも、「(履修単位不足が発覚した翌日の)27日に、校長は生徒への説明やマスコミへの対応に追われ、お疲れの様子だった」と振り返った。
 出席した3年の女子生徒(17)は「補習授業はさほど苦にならない。(校長先生は)思い詰めてしまったのだろうか」と悼んだ。また、1年生の女子生徒を学校まで車で送ってきた母親(54)は「自殺は非常に残念。履修不足の対応に追われていただけにプレッシャーが大きかったのかもしれません。ただ、最後まで責任を持って対応して欲しかった」と沈痛な表情で話した。【原田啓之】

by namuko06 | 2006-10-31 16:32 | ニュース
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